Mai Mami 世界一周🌏女ふたり旅

ハクナマタタ🐒♡ 自由気まま旅 2019.04.20~

火葬場で生と死、インドを考える

2019.05.29 Varanasi, India




ナマステー🙏🍛


またまた長らくサボってしまったにも関わらず読んでくださりありがとうございます😭✨




今回の内容は刺激強めなので、無理な方はスルーしてください。。





🐥🐥





さて、ガンジス川の火葬についてです。



ガンジス川沿いには、火葬場がいくつかあります。


最大の火葬場は、マニカルニカーガート(Manikarnika Ghat)です。


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(引用:Wikipedia Manikarnika Ghat )



前回お伝えした、祈りの儀式プージャが行われるダシャシュワメードガート(Dashashwamedh Ghat)から川沿いに、歩いて10分ほど北上すると辿り着きます。


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火葬場には日本のような建物はなく、全て屋外で執り行われます。このマニカルニカーガートでは、毎日約300人の方が火葬され、その火は24時間途絶えることがありません。正確には忘れてしまったのですが、数百年だか数千年、火が燃え続けているそうです。











さて、ここで少しヒンドゥー教について説明します。



ヒンドゥー教には輪廻転生の考え方があり、人が死ぬと肉体はほろびるが、魂は何度も生まれ変わると考えられています。

前世の行いは現世に反映されており、現世の行いが来世に反映される。この、過去・現在・未来の繰り返しを、「サンサーラ」といいます。


輪廻転生は、苦しいもの。人は、苦しい現世を終えても、何度も何度も、この苦しみを繰り返す。


この輪廻転生から抜け出すことが、苦しみから抜け出す唯一の手段である。それが、解脱です。


そして、この「解脱」を叶える方法があります。


それが、ガンジス川です。ガンジス川で火葬されると、苦しい輪廻転生から解脱することができます。


さらに、驚きの特典が。


なんと、このガンジス川で火葬されると、現世で犯したいかなる罪も綺麗さっぱり水に流されます。





罪も消えるし、解脱もできる。




ヒンドゥー教徒にとって、このガンジス川で火葬されることが、一番の幸せなんだそうです。




その火葬の方法ですが、まず遺体は布でぐるぐる巻きにされ、火葬場まで運ばれます。火葬の前に、ガンジス川に全身を浸しお清めをします。そして数時間乾燥させた後、薪に火をつけ火葬します。焼け残ったものは全てガンジス川へ流します。


お金持ちはいいのですが、貧しい人は遺体が完全に燃えるだけの薪を買うことができず、肉体の一部が残ったままガンジス川へ流されることもあるようです。


また、火葬されずに、遺体のままガンジス川へ沈められる人たちもいます。聖職者や赤ちゃん、妊婦さん。そして、自殺した人、疫病で亡くなった人、蛇に噛まれて亡くなった人など。理由は、流すほどの罪がないとか、流せないほどの大罪を犯しているとか、様々です。彼らは石などの重りをつけられ、川の中ほどでドボンと船から落とされるようですが、その重りもやがて外れ、遺体が水面に浮かんできます。ガンジス川に死体が流れているという噂は本当のようです。













想像するだけでどんよりしてしまいますが、実際に行ってきました。







マニカルニカーガートに近くなると、煙が上がるのが見えてきて、焦げた匂いもしてきました。



このあたりには「薪代よこせ」詐欺が横行していると聞いたのでかなり警戒していたのですが、現れず笑


入り口に到着し奥へ進もうとすると、そこにいた男の人がヤンヤヤンヤ言ってきます。どうやら、女性はこの先へ入ってはいけない!と言っているようです。





「女は入っちゃいけない!ほらみろ!中に女はいないだろ!」






見渡すと、2人ほど女性が。笑笑






「いるやん!」


「あ、あれは遺族の家族だ!お前らはだめだ!入ったら大変なことになるぞ!」






たしかに女性NGの情報はあったし、何されるかわからないので入り口から見学することに。


ちなみに写真撮影も禁止で、撮影した日本人が襲われたという噂も。


こわいので、写真もなしです。撮りたいと思わないですけど。





火葬場の様子をみると、布でぐるぐる巻きにされた遺体が次々と運ばれています。すでに燃えているご遺体、川でお清めされているご遺体、ご家族と僧侶らしき人にお祈りされているご遺体。




そして驚く事に、お牛様とワンコがそこら中で自由にうろついてます。




火葬スタッフの人なのか、特になにもせず眺めている男の人達もたくさんいます。




死は伝染すると考えられているため、火葬を行う人は、下層カーストの人達だそうです(インドのカースト制度は公式上は廃止されていますが、未だにインド社会に根深く残っています)。



きっとこの男の人達は、身なりからしても貧しい方なんでしょう。




入り口からでも十分に現場の生々しさが伝わってきました。





火葬場を後にして、しばらくガンジス川を眺めていると、、、、










「あれ、マイさんとマミさん??」










ぬぬ???









こんなところに日本人!誰や!!!








振り返るとそこにいたのは、イクさん。








えええー!なんでここにいるの!笑笑






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コルカタで詐欺師に紹介してもらったイクさん。笑 イクさんは、いち早く詐欺に気づきコルカタを去っていたのでもう会うことはないと思っていたのですが、こんなところでバッタリです。びっくり(°▽°)






火葬場に行ったものの中まで入れなかったと言うと、「え、大丈夫っすよ。いきます?」とのことなので、再度チャレンジすることに😂



イクさんは火葬場が好き?というか感じるものが多いらしく、バラナシにきてから毎日マニカルニカーガートの火葬場を訪れているそうです。旅人っぽい!






ふたたび火葬場の入り口までくると、先ほどの「女はダメだよおじさん」がまたヤンヤ言ってきましたが、完全スルーで「どうぞどうぞ」という感じでエスコートしてくれるイクさん。さすが火葬場のプロ。。私達も中に入っていくと、おじさんはそれ以上何も言ってこない。



中の人達も、とくに女だなんだと言ってくることはありません。



一体なんだったんだw




(たまたま何も言われなかっただけかも知れないので、実際行かれるときは十分気を付けてください!)







中心部まで進むと、火葬の現場が目の前に。




死者を燃やした灰を含んだ煙が充満していて、ストールで口と鼻を押さえても咳込んでしまいます。









私達の真横で、遺体が次々と運ばれていきます。



水に浸され、乾かされた後、火をつけられます。



火がだんだんと大きくなり、遺体は完全に火に包まれます。



こうやってひとりひとり、人生を終え、この世から消えていく。。



この人達は、どんな人生を送ってきたんだろうか。



自分もいつかはこうやって燃やされるのだ。



死を目の当たりにすると、自分の命が有限であることをまざまざと感じさせられます。






火葬の様子をしばらく眺めていると、衝撃的な光景が。







数匹数頭のワンコとお牛様が、遺体におしっこをかけたり、遺体の上に振り撒かれたお花を食べたり、焼け跡から何かを探して食べたりしているのです(焼き切らなかった肉体、かも。)






衝撃的過ぎる光景に吐き気をもよおします。







そんなことは全く気にせず、悼む様子も全くなく、ただ流れ作業をひたすら行うだけの人達。






最も神聖であるとされるガンジス川でのこの光景からは、まったく神聖さは感じられません。





余談ではありますが、裕福な方のご遺体には金や銀などの高価な物が身に付けられているようで、川に流されたその金目の物を狙う人が火葬場近くの川を泳いでいるそうです。








詐欺や泥棒、動物が好き放題。(もちろん、動物は悪くない!!)







神聖もへったくれもないです。





コルカタのカーリーテンプルで、詐欺ガイドに高額な奉納金を支払わされたり、生贄のヤギさん達を投げ飛ばしたりしていたことを思い出します。






やっぱりインドは、そういう国だ。





他人へのリスペクトや動物への優しさが感じられない。




愛を感じないんです。




自分さえ良ければ人を騙してもいい。カーストが低い人は生きる価値がない。女は働くな。



宗教という免罪符を振りかざしてなんでもありの生活。



そうやってただひたすら、1日1日を生きている。




これが私が感じたインドです。





もちろん、全員がそうではありません。

私にも素晴らしいインド人のお友達がいるし、誰かのために頑張っている人はたくさんいます。

ヒンドゥー教を純粋に信じて正直に生きてる人だってたくさんいます。



だから、インド人はこうだ、とか決めつけるつもりは全くありません。この文化と宗教の中で幸せに生きている人がたくさんいるなら、それでいいと思います。






ただ、この強烈な状況を目の当たりにして私が感じたこともまた事実。







生きるってなんだろう?

死ぬってなんだろう?

宗教ってなんだろう?

幸せってなんだろう?




インドは、普段考えることのない、人生の深い深い問いを、当たり前のように何度も何度も投げかけてくる。





すでに世界一周を終えていますが、インドはこの旅で最も衝撃を受けた、そして考えさせられた国です。