彼らの正体
2019.05.26 Kolkata, India
2020.01.01 Now We're in Lima, Peru
Happy new year!2020年!
わっふぅーーー!!😆🙌🎉
年越しはパラグアイからエクアドルまでの飛行機トランジット待機で迎えました笑 現在ペルーにおります。
新年早々まさかの欠航で、7時間待機が12時間待機になってしまった。笑
幸先良すぎや(⌒▽⌒)
4月に出発してすでに年越し、、時間の経過が早過ぎておそろしいですが、残りの旅も悔いのないように楽しみたいと思います(*^_^*)
🐥🐥
さて、リッキーそうちゃんと別れたあと、あのラウルの親戚のおじさんと会うことをやめた私たち。ホステルでゆっくりしていると、、、
そうちゃんから一通のメッセージが。
「ごめんなさい、この後会えますか?」
この文言と共に添えられていた記事。
そこには衝撃的な内容が綴られていました。
そこには、私たちの友達であるはずのラウルが詐欺師であるということと、その手口が書かれていました。
何も考えずにぼったくろうとするそこら辺のインド人とは違います。日本でいうと、オレオレ詐欺レベルの詐欺です。
私とマミは震え上がりました。
手口についても、心当たりしかありません。
記事は長めなのですが、簡単にいうと
「コルカタにはラージ・カーンという詐欺師がいて、その取り巻きも含めカーン一味という。彼らは日本人旅行者と仲良くなり完全に信用させた上で、様々な手を使って高額を騙し取る」「ラージは親しくなった日本人に、ブッダガヤの実家にホームステイしないか。といって招待し、家族ぐるみで仲良くなったのち、ホームステイ代として、または家族が重病なので助けてほしい、などと言って請求し、カードを何度も切るか、金額を間違え、後ほど返金するといったあげくそのまま返金することはない。被害は1人あたり数十万にのぼることもある」
という内容です。
「え、ちょっと待って。この話そのまんまじゃん!」
そうなのです。名前は変えているんでしょうけど、この記事で「ラージ」は間違いなく私たちと時間を共にしていたラウル。カーンという名字も一致。リッキーのLINE名は「Kahn」。記事にはラージの名前しかありませんが、リッキーやサビール、ラウルの親戚だと会っていた人たちも、仲間なのは間違いありません。
そして、「ブッダガヤの実家にいかないか」。
日本人の友人だとリッキー達に紹介された、そうちゃんと、イクさん。
彼らはまさに、ブッダガヤに行こうとしていたのです。誘われていたのです。
ブッダガヤは、仏教の開祖ブッダが悟りを開いた地とされており、仏教の聖地。それに、ホームステイをすれば、インド家族の日常に触れられることができるし、子ども達も絶対かわいいだろうなあ。
はい、行きたくなります。バックパッカーならなおさらかもですが、こういうの大好きなんですよね。しかも、信頼している友達のインド人の実家。行かない理由がありません。
私たちも誘われていて、行きたかった。
だけどすでに、デリーからウズベキスタン行きの航空券をとっていたため、スケジュール的に断念していたのです。
あぶなかった、、、
実家に行ったきりしばらく連絡が取れなくなった日本人も過去にいるみたいです。
ほんとうにあぶなかった、、、
イクさんはすごい嗅覚で、そうちゃんがこの記事を発見する少し前に彼らを怪しいと思い始め、すでに次の街へ出発したとのこと。実際の理由としては、イクさんがラウルやリッキーたちと食事をして、いつものようにリッキーがお金をまとめて「1人いくらね。」と回収した金額が、実際のメニューに書かれていた金額より上回っていたこと。
インドは物価が安いし、オーダーしたものはみんなでシェアすることが多かったから、金額なんて気にしていなかった。それに、信頼している友人がお金をまとめてくれているのに、いちいち合計金額や1人あたりの金額なんて見ていませんでした。
だけど、おかしい、とイクさんは気づいた。
そう言われてみれば、、、
思い当たる節がありすぎました。
いつもいつも、リッキーがみんなからお金を回収してまとめて払っていた。
回収する際は、ラウルとリッキーがみんなより少し多めに出す'風’だった。
ラウルとリッキーがお金について話すときは、いつもヒンドゥー語だった。
ヒンドゥー語でも、「ビール」とか「オレンジジュース」って言ってた。
その時、身振り手振りからも、ああ、「マイとマミはビール飲んでなくて、オレンジジュース一杯ずつだから支払いは少なめでいいよね」って言ってるんだなって予測した。そして実際みんなの前で支払った金額は、私たちだけ少なかった。
だけど、それはパフォーマンスだった。
リッキーやラウルは1人20円ほどのトゥクトゥク代など、たまにおごってくれた。
だけど、それも私たちを信頼させるためのパフォーマンスでしかなかった。
こんなことがわかったのに、そうちゃんは、まだリッキーだけは信じていた。
記事にはリッキーのことは書かれていないし、今までを振り返ると、どうしても疑うことができないらしい。
どんだけ良い子なんだ、、、だけど、彼らとはもう会わずに、はやくコルカタを出て方がいいんじゃないかと、話してみる。
それでも、リッキーだけは違うかもしれないって。
こんなに良い子を騙しやがって、と思う傍ら、私たちも心のどこかで、「リッキーはちがうかもしれない」という気持ちが1ミリ残っていた。
だってリッキーは彼らの中で1番長く時間を過ごして、私たちになんでもしてくれた。たくさん一緒に笑ったし、話した。
リッキーは、コルカタ でよく見かける足が無いおじいさんや小さい物乞いの子どもに、気前良くお金を渡してあげていた。
川沿いでおじさんに暴力を振るわれていた子どもを助けていた。
サビールは、自分より私たちと一緒に過ごしているリッキーに嫉妬していた。
そして、ラウルの親戚であるというおじさんは詐欺師であるから、絶対にあっちゃダメだ。信じてほしい。と、忠告してくれた。
もしかして、リッキーは詐欺師と友人ではあるものの、彼自身は詐欺に手を染めているわけではないのかもしれない。と思い始めた。
今考えたら、詐欺師の友人である時点でアウト。なのに、ほんとうに頭おかしいけど、疑ったけど、100%ではなかった。
そうちゃんがこの記事を発見した経緯は、リッキーが「今ほかにコルカタにいる日本人はいないの?」とそうちゃんに聞いて、調べてみようと、ツイッターで「コルカタ 日本人」で検索したところ、トップに出てきたらしい。
他のターゲットを見つけたかったんだろうな。墓穴掘っちゃったんだね、、、笑
そうちゃんが「これ、ラウルだよね?」とリッキーに問いただすと、「たしかにこれはラウルだけど、僕は何も知らないよ。」と言ったそう。
もしリッキーの「今ほかにコルカタにいる日本人はいないの?」の一言がなかったら、そうちゃんとイクさんはブッダガヤの実家に行っていたし、私たちも知らないうちに高額を騙し取られていたかもしれない。
不幸中の幸いなのか、自分たちのある意味の運の良さにも震えます。
夜中出歩くには危ないインド。すっかり遅くなってしまったので、そうちゃんがホステルまで私たちを送ってくれました。
最後そうちゃんに、一刻も早く今宿泊しているホステルを出るように伝えます。
というのも、リッキーとそうちゃんが出会ったのは、そうちゃんが1番初めに宿泊していたホステルの目の前。「日本人ですか?」と声をかけられ話をすると、「今君が泊まっているホステルのオーナーは薬物の売人だから危ないよ。僕が良いホステルを知っているから、そこに移らない?」
薬物の売人なんて、怖すぎる。
リッキーがおすすめする宿はバックパッカーズホテルなので、旅人がたくさんいる。
もちろん移ったわけです。
そうちゃんが宿を移ったあと、リッキーは宿泊客でもないのにそうちゃんとイクさんに会うためにかなり自由に出入りしていたな。もしかして、ここの宿のオーナーやスタッフも、グルかもしれない。そうちゃんの動きを追跡して、リッキーたちに情報を流している可能性も考えられてきた。
もう、ほんとうに危ないから明日にはチェックアウトしてね。絶対ね。とそうちゃんに告げて、ばいばい。
まるでサスペンス映画で伏線がどんどん回収されていくように、いろんなことの辻褄が合いすぎている。怒りよりもショックと恐怖にまみれながら、ラウルの親戚のおじさんに「明日は会えません」とメッセージを送りました。
私たちは明日、コルカタをでるのです。
よかった。大きな被害に遭う前に逃げられる。
彼らにはわたしたちの宿泊先がバレているし、コルカタの街は小さくて彼らに会ってしまう可能性があるけど、無事切り抜けられますように、、、
と願いながら眠りました。
だけど、そんなにうまくはいかなかった、、、
つづく