鎖国とネズミ講の歴史
2019.07.04 Tirana, Albania
ミラディタ〜🦅⭐️
アルバニアの、パッとしないもののいちおう珍しい観光スポットがあったので、行くことにしました。
その名も、バンカー(トーチカ)。観光スポットというより、アルバニア中に数千も点在しているコンクリートの半球らしい。
なんやて?笑 コンクリートの半球? ぜんぜん魅力的じゃないんですけどw でもアルバニア中に点在してるとなるとちょっと気になる🤣
バンカーここにあるよ!的な地図がなかったのだが、ホステルのおばちゃんもそこら中にあるっていうし、適当に歩いていれば見つかるだろうってことで、バンカー探しに繰り出しました。
でもね、意外となくて、簡単には見つからなかった🤣街の人に聞くものの、あっちの方にあったような、、みたいな回答しかもらえず、結局見つからず。
なんやい!点在が魅力じゃなかったんかい!笑(それを魅力としたのはわたしの勝手ですがね!)
街の人ではむりで、2人目の警察官に聞いてみたらやっと明確に道を教えてくれて、やっとこさ見つかった😂
ふーん、これが噂のコンクリート半球か。予想通り普通やな!これがいったい何なのかというと、核シェルター、なんです。
ここで簡単に、アルバニアの歴史をご紹介します。
1913年にオスマン帝国より独立したアルバニアですが、そののちイタリアの支配下になりドイツの支配下になり、1925年にまた独立。
その後はユーゴスラビアと仲良くするが、ユーゴがコミンフォルム(国際的な共産組織)から除外され、親ロシアに方向転換。
1946年に王政が終わり、ホッジャにより共産主義政権となりました。しばらく親ロシアだったものの、スターリンの死後スターリン批判が高まり、身の危険を感じたホッジャは反ロシアに方向転換。今度は、当時ロシアと対立していた中国と仲良くします。
1968年にワルシャワ条約機構を脱退すると、ソ連を「仮想敵国」とし、国民全員に銃を配るなど極端な軍事政策を進めていきました。
そのときに国中に数千も作りまくったのが、このバンカー!街中やら公園やら海辺やら、あらゆるところに作られたようです。公園だと、遊具の隣に遊具のデザインと同じ風に装飾されたりしていて、カモフラージュの仕方はちょっと笑っちゃう。
仮想敵国が相手ではあるものの、最強に頑丈な作りにしたために壊すことができず、今もそのまま放置しているらしいw
そんなこんなで周辺諸国に対していつもケンカ腰。無神国家を宣言して宗教も禁止したりして、中国以外とは交流がなくなりほぼ鎖国状態に。その後は仲良くしていた中国が開放路線に向かうことになると、今度は中国を批判。唯一援助してもらっていた中国とも仲が悪くなり、経済はどんどん停滞していき、ヨーロッパ最貧国と揶揄されるようになりました。
さすがに耐えられなくなり、1990年から徐々に開放政策へ転換していったようです。
。。鎖国って日本も経験していて、日本では当たり前というか特に大きな疑問もなく受け入れてたけど、アルバニアの鎖国を知ってみると日本もなかなかに独特すぎる歴史を持っているんだなと思った(笑)
さて、私たちがたどり着いたバンカーでは、BUNK’ARTという展示会がおこなわれていました。
中に入ると、冷戦時代のアルバニア的偉人達の写真が飾られていました。
なんかちょっと怖め。。
ここでは、冷戦時代の武器や当時の遺品が展示されているらしい。人形があったり、怖い音楽が流れていたり、狭くて暗くてカビ臭くて、ひとりで行かない方がいいとか言われてるレベル。化学兵器の部屋では、ボタンを押すとプシューっと白い煙が出て警報が鳴るとかいう演出もあるんだって。。
いま思えば入ればよかったけど(←アルバニアでこのパターン多い笑)、疲れていたしその時は興味もそこまでそそられず、入らんかったです(笑)
歴史の話に戻ります。
1992年に共産政党が倒れ、民主党政権となります。民主党政権は市場経済への移行に力を入れていたようですが、一方で国内ではねずみ講が大流行!なんと、国民の半分っ(´⊙ω⊙`)うそやん!笑笑 なんでそんなことになるんや!笑笑
ねずみ講組織は国民からお金を集め、当時のユーゴスラビア戦争の戦闘組織に武器を密売し、その利益を国民に配当していたらしい。
で、戦争が終わると投資先を失い、ねずみ講が破綻。お金をまるまる失い怒った国民が暴動を起こしたそうです。。
政府も、違法だけど外貨の貴重な収入源だからと黙認していたんだって。
このねずみ講の混乱は今もまだ引きずっていて、経済不振が続いているようです。
アルバニア、なんでもありで独自路線感がすごい!ホントに特殊な国です😂